これを読めばこの映画もきっと観たくなるかも?(笑)

放課後倶楽部

2013年05月19日 23:27


昨年の問題作「この空の花」(160分)主演の「この雨、痛いなぁ~」って台詞が妙に受けた高島兄のインタビューがネット上にありました。
観ている僕らにも不思議な作品「空花」でしたが、出演者の方にもワンダーな作品だったんでしょうね。
高島さんは「空花」の続編のAKB48主演の少年少女版「空花」~「So long!」MV(64分)にも教師役として続けて出演されていましたっけね。

本編「この空の花 長岡花火物語」は強烈なメッセージの映像ゲルニカ作品です。

※俳優 (映画「この空の花 – 長岡花火物語」出演) 高嶋政宏氏インタビュー
http://www.bridgeusa.com/Interview/?ID=103

 ■この作品は、長岡の花火大会を通じて平和のメッセージを伝える大林宣彦監督の最新作です。最初に台本を読まれた時はどのように感じましたか?

 これはいったい何なんだ!という感情を覚えました。たとえば登場人物たちの経験がひとつの輪だとすれば、その輪が何重にも重なり合ってまるでバロウズの『ソフトマシーン』のような構成に、椅子から立ち上がれなくなったのを覚えています。とにかく、“脳が追いつかない”。長く映画を撮ってきた経験の中ではじめてのことでした。そして、今まで人間が行なってきた愚かな行為、つまり戦争全般に対する大林監督からの強烈なメッセージを感じました。

■松雪康子さん演じる玲子と、高嶋政宏さん演じる健一との手紙のやりとりの文章が印象的で、この映画を象徴する花火を打ち上げるための導火線のように感じました。作品の中に溢れる「まだ戦争には間に合う」という台詞をどのように捉えましたか?

 この平和な日本で「まだ戦争には間に合う」っていうのはどういう意味なんだろう、と誰もが考えさせられますよね。今から僕たちひとりひとりが戦争の愚かさを口々に叫べば、これから起こるであろう戦争を止めることができる、まだ次の戦争には間に合う!という強い意味なんですね。今、ちょうどアジアの国々の間でも何となくおかしくなってきていて、紛争が始まる気運がありますよね。まさに今だからこそ、もう一度かみ締めて、「まだ戦争には間に合う」とみんなで叫ぼうと。そうすれば次の戦争には間に合う。昔、私たちがした愚かな戦争をこの機会に知れば、次の戦争には間に合うんだよ!という強烈なメッセージですね。

玲子と健一の話というのはどこにでもありそうな話なんですよ。それを大林宣彦という監督は、今の若い新進気鋭のポップな監督以上にアバンギャルドな表現を使って、この映画を作ったことに今だに感動しています。撮り終えた今でさえ、自分の中では終わっていない作品として生き続けているんです。普通の映画なら長岡の慰霊の花火大会をモチーフにして、戦争は良くないという主題に向かって感動を盛り上げていくのですが、それくらいでは見た人の脳に、また心に強くきざみつけられないということなんだと思います。だからこそ普通の展開ではだめなんだということを最後のCGで思い知らされます。日本というのは世界的にもCGの技術が高いわけですが、そういった高度な技術を使わずに、いかにも合成とわかるような炎を使うことによって、より見ている人たちに焼け焦げた臭いとか、焼けているときの熱さとかを思い起こさせるのです。映画を見ているひとりひとりの、今まで生活していく中で体験してきた火傷の記憶がえぐりだされていきます。

 ■この映画は多くの新潟や長岡市民の応援や協力があり、大林監督がつくる古里映画の代表作品にもなりました。近年、町興しなどの効果もあるこういった地方を題材にした映画も多く作られるようになっています。大手配給ではできない古里映画の良いところはどんなところでしょうか?
(*大林監督はご自分がつくる映画を古里映画と表現しています。)

「この空の花 – 長岡花火物語」は古里映画としてカテゴライズされているかもしれませんが、僕はそのように思ったことはないです。何かとんでもない作品が出来上がりましたね、と大林監督とも話しました。今までの大林監督の作品が好きでこの映画を見に来た方も、「何だかわからないけどすごかった、動けなかった。」そういう人たちが多いんですよ。単純な古里映画ではなく、映画を見ている人たちが“監督の脳の中を旅している” ような、そんな表現ができる作品になっています。とにかく想像を超えてぶっ飛んでいます。(笑) 普段映画を見ないようなサブカルチャー好きな人たちがこの作品を見たとしても、新しい感覚を感じるはずです。

 ■ここロサンゼルスにも新潟県や長岡出身の方が多く住み、ご活躍されています。また県人会など故郷とする方の集まりもあります。そういった方々を含め、映画を見に来る方々に高嶋さんからのメッセージをお願いします。

 日本人の悪いくせかもしれませんが、とかく頭でものを考えがちです。しかも年齢を重ねると特にそういう傾向があります。ですが、どうか「この空の花 – 長岡花火物語」を見るときには、頭でものを考えるということをやめ、とにかく感じてほしい。僕らすべての人間を邪魔しているのは想像力ですから、この映画を見るときには「この映画は戦争を扱っているのだからこういう映画に違いない」とか、「このシーンの次に何でこうなんだろう」というような既成概念や固定観念や自分で自分を押さえつける想像力はいっさい捨てて、とにかく感じてほしいと思います。そうすれば、戦争がいかに愚かなのか、人間はいかに愚かなことをしてきたのか、という大林監督からの強いメッセージを素直に受け取れるはずです。


※大林宣彦監督作品「この空の花 長岡花火物語」(2011年)公式サイト
http://www.konosoranohana.jp/

※映画「この空の花 長岡花火物語」予告編 120秒バージョン
http://www.youtube.com/watch?v=CivwjE-pHJY&feature=player_embedded

※【PV】So long ! ダイジェスト映像 / AKB48[公式]
http://www.youtube.com/watch?v=LeLsjgbCoMI

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