チラシによれば年末にはシェリル・クロウの来日公演があるそうです。
最新作「ディトアーズ」のジャケット写真で着ている肩口に特徴のある白いTシャツは着古して首元が少しほころびて破れていたり、虫食いのような小さな穴が開いているようにも見えるんですが、これって15年前のデビューアルバム時に内ジャケット写真で着用していた衣装っぽい気がしてなりません。
塗装が剥げたような古いギブソンといい“原点回帰”って意味なんだろうしね。
シェリル・クロウは説明するまでもなく現代のアメリカを代表するシンガー・ソングライターの1人だと思います。
デビュー・アルバム「チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ」(1993年)以来、アルバム毎には聴き続けています。1962年2月生まれですからデビュー時は30路の遅咲きタイプ?…ってことは御年46歳ですか?
ラジオで「チューズデイ…」の曲を聴いた時は彼女のデーターもあまりなかったこともあり、聴き慣れない名前だけを慌てて手元にあった住所録の欄外にメモっておいた記憶があります。妙に懐かしい音のような気がしました。
彼女の出身のミズーリ州が米国の何処に位置するのかは知りませんが、中西部のド田舎って気がします。
アルバムジャケットにあった車のボンネットに腰掛けて伏目でテレキャスを抱えた写真からは、とってもナチュラルな自然体なイメージを受けました。(フレアなスカート姿かと思ったら、実はボトムは柄の綿パンに軍用っぽいハードな黒の編み上げブーツだったんですけど…)
いかにもカントリーな典型的アメリカ娘で、教養のある家庭に育った感じってのかなぁ?
ついついデビュー時のオリビア・ニュートン・ジョンや、その後のオリビアの変身ぶりに姿を重ねて連想しちゃいました。デビュー時のオリビアって、もろ垢抜けない田舎娘だったのが、レオタード姿でクネクネ踊りながらエッチな歌を口にするとは…。
話をシェリル・クロウに戻すと、何が驚いたといえば彼女の名前を冠したセカンド・アルバム「SHERYL CROW」(1996年)のジャケット写真でした。
ツアー用のアルミパネルのトレーラーから銀ラメ塗装のグレッチを下げて降りてきたかのような彼女の濃い化粧とファッションでした。
なんたって、極めつけは蛇皮みたいな白のパンツルックです。
写真だけなら完全なる超がつく“不機嫌クイーン”そのものです。
思わず「何が彼女をそう変えたんだ?清楚な彼女に一体、何があったんだ?男か?」と叫びたい心境でした(笑)。
それまで化粧っ気なんか皆無だったお方ですからね。
情報にうとかった僕は、てっきりデビューアルバム「チューズデイ…」の大ヒットで彼女がロスに移住して変質しちゃったのかと心配になりました。
まぁ、半分は冗談なんですけどね。デビューーアルバム「チューズデイ…」でも評価のひとつは彼女の作詩能力…大人の物語を創作する力量でしたしね。
実際には93年のデビューアルバム以前に下積みってわけでもないんでしょうが、有名アーティストのバッキング・ボーカル時代があったようで、地元大学で音楽理論を専攻して、その後は地元の小学校で音楽の教師をしていたようなのですが、86年にはロスへ移り、そこでデビューまで7年の歳月が流れていたってわけらしいんですよね。
ライヴではツェッぺリンの「ロックン・ロール」もガツンとかましちャうお方ですから、元々ワイルドなロックテイストとポップさを合わせ持つ絶妙なバランスが良いわけですしね。ローリング・ストーンズも子供の頃から好きで聴いていたと公言していますしね。
そろそろ生シェリル・クロウも拝んでみたいかも…。
【シェリル・クロウ】
http://www.sherylcrow.com/