何度か面識のある方が今回の芥川賞候補作品に!
深夜仕事が続いていたのでぐっすり寝ていたら、朝のNHKニュースを見ていた女房が大声で「大変!大変!友祐さんが、木村先生が、芥川賞の候補に選ばれたよ」と寝室に叩き起こしにきた。
そういえば10月下旬に木村友祐さんとあるライブ会場ですれ違った時に、文芸誌すばる11月号に掲載になった今回の候補作の『幼な子の聖戦』を読みかけだったので、「あっ、申し訳ない。アレ、まだ読みかけで・・・」と感想も伝えられなかったのですが、先生は「そんなこと気にしないでくださいよ」という風にニコッと笑ってくれました。
そんなことはさておきとにかく木村さんの最新作が評価されて候補作の中にあがったということは嬉しいことでした。
「文学」なんて凡そ似合わない私ですし、読書家でもないのですが、それでも木村友祐さんという気鋭の作家さんの作品はデビュー作から全て読んできました。小さき者、弱き者、虐げられた者たちへの優しい眼差しを感じる方なのです。すばる文学賞でデビューして、これまでも三島由紀夫賞や野間文芸新人賞などで候補にあがってきた方ですが、今回は賞の知名度が高いので、候補作に加わったことでより多くの方に木村友祐という作家の名前や作品が伝わる気がして嬉しく思っています。
文芸誌なんて滅多に手にとらない私ですが、木村友祐さんのお名前を表紙や目次で発見するとついつい手にとってしまいます。
作家さんの頭の中の思考回路や想像力なんて私のような凡人には到底想像も出来ませんが、創作活動や執筆って血を吐くような苦悩の連続なんだろうなとはいつも思って尊敬しています。
今回の候補作も来年1月末には出版される様子です。候補作を収録した文芸誌すばる11月号を買い逃した方で興味がある方には朗報ですね。
▼「幼な子の聖戦」木村友祐著/集英社
https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-771709-9
▼朝日新聞 2019年12月16日付
「芥川賞・直木賞」候補作決まる
https://www.asahi.com/and_w/entertainment/ent_1147454/
日本文学振興会は16日、「第162回芥川龍之介賞・直木三十五賞」の候補10作を発表した。直木賞は『落日』で4度目の候補となった湊かなえ氏のほか、初候補となる4人がノミネートされた。選考会は来年1月15日に東京・築地「新喜楽」で行われる。
芥川賞の候補は、4回目のノミネートとなった古川真人氏(31)の『背高泡立草(せいたかあわだちそう)』、3回目のノミネートの高尾長良氏(27※高は「はしごだか」)の『音に聞く』、初ノミネートの木村友祐氏(49)の『幼な子の聖戦』、千葉雅也氏(41)の『デッドライン』、乗代雄介氏(33)の『最高の任務』の全5作品。
直木賞の候補は湊氏のほか、小川哲氏(33)の『嘘と聖典』、川越宗一氏(41)の『熱源』、呉勝浩氏(38)の『スワン』、誉田哲也氏(50)の『背中の蜘蛛』の4作品。
両賞は1935(昭和10)年に制定。芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られる。前者は主に無名・新進作家、後者は無名・新進・中堅作家が対象となる。
受賞者が都内および近郊在住の場合、発表当日に共同記者会見が行われる予定。贈呈式は2月下旬に都内で行われ、受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が与えられる。
前期・第161回の芥川賞は今村夏子氏の『むらさきのスカートの女』、直木賞は大島真寿美氏の『渦 妹背山婦女庭訓(いもせ やまおんなていきん) 魂結(たまむす)び』が受賞した。
■第162回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)※作者五十音順・敬称略
木村友祐『幼な子の聖戦』(すばる十一月号)
高尾長良『音に聞く』(文學界九月号)
千葉雅也『デッドライン』(新潮九月号)
乗代雄介『最高の任務』(群像十二月号)
古川真人『背高泡立草』(すばる十月号)
■第162回直木三十五賞 候補作(出版社)
小川哲『嘘と聖典』(早川書房)
川越宗一『熱源』(文藝春秋)
呉勝浩『スワン』(KADOKAWA)
誉田哲也『背中の蜘蛛』(双葉社)
湊かなえ『落日』(角川春樹事務所)
■選考委員
【芥川賞】小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、堀江敏幸、松浦寿輝、宮本輝、山田詠美、吉田修一
【直木賞】浅田次郎、伊集院静、角田光代、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、宮城谷昌光、宮部みゆき
※五十音順・敬称略
▼第162回芥川賞候補に5作 木村友祐・千葉雅也・乗代雄介の3名が初ノミネート
https://hon-hikidashi.jp/more/99525/