もしも「やらフェス」がメインステージのみの1ステージであったり、もっと準備期間と構想に時間を充てられたら僕の中では、こんなイメージがありました。
そんな具体的な意見も昨年の「やらフェス」実行委員会の中ではかなり熱く語ってはきたつもりなのですが…。
規模や歴史では「やらフェス」は仙台のソレに太刀打ちは出来ません。
仙台の音楽フェスは今年で18回とはいえ、その前に4年の前史があり、ある意味22年という歴史の集積と、僕も昨夏見学して浜松との立地の違いを痛感しました。
仙台にはメイン会場として1000名以上を収容可能な広場がありました。
浜松なら浜松城公園や凧揚げ場や浜名湖ガーデンパークに野外ステージを設けない限り対抗できないと感じました。
となれば、何らかの形で差別化なり特色を出すことで、マスコミにアピールして世間の注目を集める必要があると僕は考えを巡らせていました。
そのひとつが「テーマソング」、もしくは「テーマソングに類するモノ」でした。
オリジナル曲を公募すれば、「石を投げればピアノの先生に当たる」とまで揶揄される浜松ですから、数多の楽曲が集まるとは思います。
でも、それが浜松市民に浸透して、浜松市民の唇に自然と歌が乗っかるまでには時間はかかると思います。
それなら既成の名曲を引っ張ってきちゃった方が手っ取り早いかなと僕は思いました。
「翼をください」は映画「天まで上がれ!」でも用いられていました。
「あの素晴らしい愛をもう一度」も誰もが知る名曲です。
「戦争を知らない子供たち」は「反戦」って政治色的に嫌われる可能性があります。
「遠い世界に」も名曲中の名曲ですよね。
「上を向いて歩こう」も大好きな曲です。(「あの素晴らしい愛をもう一度」と「戦争を知らない子供たち」の2曲は今回のHFJでも“折角だから、みんなで歌おうよ”コーナー的に名倉さんのギターで演奏され盛り上がりましたよね?)
こういった定番曲は「やらフェス」では新鮮味に欠ける気もして、僕なりの結論は「涙をこえて」でした。
知名度はいまいちかも知れませんが、NHK「ステージ101」世代には涙涙の名曲ですし、オリジナルのシング・アウトの曲のヒットに火がついたのは実は東海地方が最初だったんです。
ある時、同僚の若手カメラマンに「小池さん、『涙をこえて』って曲は知ってますよね?いい曲ですよねぇ~」と言われて、「えっ!?なんで、君みたく僕と20歳も離れた世代なのにアノ曲を知っているの?」と驚いたことがあります。
実は高校時代に合唱部に在籍していた彼はコンテストの課題曲として練習を重ねた曲だというのでした。合唱コンクールなんてお行儀の良い世界には無縁だった僕は、あの曲が今も小学生から高校生まで歌い継がれていることを知らずにいたのです。
やっぱり名曲中の名曲って、そんな風に歌い継がれていくものなんでしょうね。
調べていくと2005年の紅白歌合戦でNHKが実施した「スキウタ」アンケートでも紅組の74位にランクインしていたそうです。女性層に人気のあるってことも大事ですし、何よりも皆の心の中に今も生き続けていた曲なんだと嬉しくなりました。
「やらフェス」の実行委員会は多彩な方が多かったのも事実ですし、楽器演奏に長けた方も加わっていました。
僕の構想は「実行委員会バンド」でした(笑)。
この祭りを通じて知り合った浜松の音楽好きな仲間で、メインステージを飾るのもアリだなと思いました。何よりもステージ前に集まってくれた市民の皆さんに対して「顔」が見えるのは大事だと考えました。大編成の実行委員会バンドですが、ギターが弾けなくてもボーカルもコーラス役もありますし、タンバリンやカスタネットやマラカスもガンザなんて、練習すれば誰でも参加できるような楽器はあります。
実行委員の中で「この日のために初めてギターを弾いて練習してきました」なんてストーリーがあってもいいと思います。
歌や演奏に上手い下手は重要な要素ではあると思いますが、それだけじゃない部分だって存在すると僕は考えています。(それじゃなきゃ「放課後倶楽部♪」なんて存在を許されないでしょ?ははっ!)
やらフェス実行委員会バンドをゴスペルのグループ陣がコーラス隊として固めてくれれば、更に「涙をこえて」は活きますよね。アンプを通さない小中学生や高校生のブラスバンドがサポートしてくれれば響きは重層化して迫力が出ます。
委員長をメインボーカルに実行委員会バンドを囲むゴスペルグループク゚とブラスバンドでメインステージのラスト近くに大合唱大合奏なんて考えただけでも楽しくないですか?(笑)
21世紀の日本の浜松から突然のように懐かしいあの「涙をこえて」が湧きだすのです。
浜松はイロハの「イ」の字を世界で最初にブラウン管に映すのに成功した街です。
その街からNHKのかつての人気番組「ステージ 101」の名曲が沸き上がったとしたら、NHK浜松支局も東京センターも看過は出来ないと思うんだよな。
僕の妄想としてはね…(笑)。
「毎年、浜松の“やらフェス”に出かけて、メインステージのラストは懐かしいヤング101の曲を大きな声で歌おう♪」なんて酔狂な楽しみ方をしてくれるお客さんが増えてくれれば儲けもの?(笑)
定着化して盛り上がっていけば、本物の「ヤング101」の衆も呼べるようになるかもしれないし、懐かしいあのお兄さんやお姉さんと懐かしい歌を歌えるなんて俺的には感涙ものなんだよな。そんな世代もいると思うんだ。
「花博」で「コッキーポップ」ステージもあったけど、それに近い発想だよね。
このプランは昨年の「やらフェス」の時に公言していたので、いまさらパクらないでねっ!(笑)
「やらフェス」に欠けているとすれば端的には総合プロデューサーの存在だよね。
「ここでしかないもの(ありえないもの)」を追及しなきゃダメでしょ?
それは「渋さ知らズ」でも招いて「本多工務店」のテーマを浜松中のブラスを動員して客席中で一緒に合奏して盛り上がるってのと同じ発想です。
浜松の演奏家にはプロアマ問わず個々に活動の場は保障されています。
小はストリート・ミュージシャンに始まり、大はホールでの定期演奏会まで含めてです。
大小様々なライヴスポットも市内に点在しています。
それを一日にまとめて提示するのが「やらフェス」なんだと思いますが、日頃の活動の延長線上であったら、いまいち面白みに欠ける気がしてなりません。
殆どが野外ステージですから、日頃はクローズドな空間で演奏されている皆さんを無料で間近で楽しめるメリットくらいかなぁ?
正直、ステージ数がありすぎて、気になるバンドがいても、どっちかを聴き逃しかねないくらいですよね。それよりは、「これだ!これが最高なんだ!」と実行委員会が自信をもって太鼓判を押すステージが1つでも僕はいいんだよな。
移動せずに一日中、芝生の上で酒でもくらって、最高のバンドを眺めていたいな。
まさかとは思いますが、今回の「やらフェス」のテーマ曲って、ご当地ソングの「誘われて浜松」(三沢あけみ)とかじゃないですよね?(笑)
演歌を否定はしませんが、ちょっと「やらフェス」向きのノリじゃないですもんね。
作曲家の西條キロク先生って「やらまいか大使」ですよね?
演歌はいいよね。大学時代な「軽音」のライヴで一番盛り上がったのは「サークル連合会」の執行部バンドの面々の「北酒場」だったもんなぁ~。
どんなロックを演っても、アンコールは毎回「北酒場」で踊りまくってたもんなぁ~。
昨年の「やらフェス」には準備段階から加わっていたのも僕です。
恐らく、実行委員会設立以前にバンドとして2名も組織に加わっていた「放課後倶楽部♪」は珍しい例だったと思います。
「下手な演奏は騒音だから」みたいな会議での発言もあり、自らをよく知る私は昨年も素直にエントリーは見送りました(笑)。上手い人だけの「やらフェス」です(笑)。
それでも、「何か新しいことが始まるんじゃないか?」ってワクワク感から当初から参加していました。ところが現実的には色々と難しいもので、充分な議論も成されたとは思わないまま「年内決行!多ステージ!」路線で上の方が梶を切ってしまった感があって、最後まで僕とは意見が噛み合わないまま終わってしまったので、今年度の第2回「やらフェス」実行委員会からは残念ながら身を引かせてもらいました。
昨年の開催当日も現場統括者(舞台監督?)としての僕を無視したような上層部の現場介入に視察にやってきた実行委員長様と副委員長様に抗議したおぼえがあります。外部にいたら万々歳でわからないことでも、内部にいると色々と透けて見えていたり「それは、ちょっと納得できないなぁ~」と感じることはあるものです(笑)。
僕は最初から無理はせずに発想としては「1ステージからの出発」を考えていましたし、ステージを増やすにしても「必要に応じて」1から2、2から3へと考えていたので、最初から「二桁のステージありき」路線には抵抗感が最後まで付きまといました。
充足とは言い難いスタッフ数で1ステージを任された僕としては終日現場を離れることも叶わず、トイレの水を飲んで喉の乾きをしのいでいたくらいの状況で、他のステージの様子や祭全体の雰囲気など知ることも出来なかったというのが実際でした。
これが1ステージのみだったら、実行委員会全体で祭を共有化でき、問題点や課題を探ることも出来たはずですが、持ち場を離れられない身では終始全体を把握することなど叶わない立場で、ストレスは頂点に達した記憶があります。
所詮、私のごとき末端の1実行委員などに全体状況の把握なんて求められてもいないし、期待もされていなかったんでしょうね。
かなり役員衆には前回は僕は引き回された気がしています。
今日は普段に増して熱い俺…馬鹿だからね。
「やらフェス」役員衆を独りで敵にまわすバカは俺だけか?(笑)
浜松じゃ生きていけんよな(笑)。下手すりゃ音楽活動も許されなくなるのか?(笑)
そもそも音楽活動なんてマトモにしてないだろって?(笑)
あっ、そうか?それなら大丈夫か?(笑)
写真はシング・アウトの「愛のつばさを~シング・アウトの旅」(2001年)です。
オリジナルは1970年だそうです。ジャケットの写真は青山の絵画館かな?
このアルバムに「涙をこえて」が収録されています。
それだけの話で、ここまで引っ張った俺って…。悲しい…。
あ~、そういえば、去年は「やらフェス」に追加出資まで含めて2万円くらいはカンパしたと思うし、仕事を休んだり、東京から時間も交通費も使って会議にも参加したこともあったけれど、会計報告って今に至るまで俺は受け取った記憶もないんだよな。
俺の金って、どう使われたんだろうな?知る権利はあるだろうな。
ホテル宴会場の打ち上げに参加すれば貰えるとか聞いたけど、収支決算を見たいだけでわざわざ東京から宴会に出かけるのも情けないよな。
それだけで呼ぶ方の連中の神経がわかりませ~ん。俺はそんなにヒマ人と思われてんのか?(笑)
一応「やらフェス最高!やらフェス万歳!やらフェス頑張れ!」とは言っておくか…。
今年は見学には帰省しないつもりです。ストレスたまるし…。
やらフェス出る人は楽しんでほしいし、頑張ってほしいな。
俺は裏のいやなところを見てしまった気がして、醒めてしまっただけなのよ。
もうちょっと面白みのある会かなと期待しただけに落胆が大きくて脱会しちゃいました。
それだけのお話です。きっと、前よりは良くなっていることでしょう。俺みたいな不協和音は消えたしね。
【YouTube/涙をこえて】
http://jp.youtube.com/watch?v=Gcszzopka_k
【涙をこえて譜面】
http://bunbun.boo.jp/okera/nano/namida_koete.htm
【「ヤング101」資料関連サイト】
http://www4.airnet.ne.jp/stage101/
【定禅寺ジャズストリートフェスティバル(仙台)】
http://www.j-streetjazz.com/
【浜名湖フォークジャンボリー2008】
http://hamanakofolk.hp.infoseek.co.jp/
【HFJ事務局長さんの「フォークソングな日々」】
http://hfj06.hamazo.tv/e1471959.html
【第2回・やらフェス】
http://www.yaramaika-mfes.com/