ファミレスも僕の立派な書斎です!
素直な性格の僕はよく他人に感化されやすい質でもあります。
他人様の興味や関心の方向も気になっちゃうわけです。
それが一目も二目も置かざるを得ないようなセンスや感性が鋭かったりユニークな方で
あれば尚更です。
「そのうちなんとかなるだろう」なんて洒落の効いたタイトルの方のブログで気になる本
を先日発見しました。
「植木等伝『わかっちゃいるけど、やめられない!』」(戸井十月/小学館)です。
そんな本が出版されていたこともお間抜けにも僕は先日まで知りませんでした(笑)。
単純に「面白そうだな」って直感や、戸井十月なんて反骨精神バリバリの渋いライター
さんの名前にも懐かしさをおぼえました。
戸井さんといえば、石井聰亙監督の長編第2作目にあたる「爆裂都市BURST CITY」
(1982年)で原作・企画どころか改造サイドカーに乗って冒頭から出演しまくっている姿
が強烈に印象にあります。
さて、話を「植木等伝」本に戻します。
仕事の合間に正味3~4日くらいで読み終えたのですが、終始デジャヴで不思議な感
覚に陥りました。
この作品は活版系週刊誌に連載されていた物に加筆修正されたと巻末にありましたが、
僕はその連載を読んでいたこともなければ、その存在そえ知らずにいたわけです。
でも、部分部分ではありますが植木等さんの肉声で本の中身が僕の頭の中で甦ってく
るのです。
実は植木さんが亡くなられた時の追悼番組のひとつにこんなのがありました。
NHKが2005年に放映した「スーダラ伝説~植木等・夢を食べつづけた男」というドキュ
メンタリーに「植木等さんをしのんで」とタイトルを加えて2007年4月にNHK教育で再
放送されました。
その再放送を僕はテレビで見ていたのです。
2時間…もしかすると3時間くらいの番組だったかもしれません。
番組は植木さんのロングインタビューを軸に、植木さんと親交の厚かった故青島幸男さ
んや谷啓さんも登場していたと思います。
こんな不景気で先の見えない不安だらけのご時世だからこそ、植木等さんのような笑い
が求められているのかもしれませんよね。
政府は景気回復傾向にあるだの相変わらずワシらには実感ないこと言い続けてきたし、
大企業は史上空前の儲かりぶりらしいけど、原油高だか円高だかサブプライムだか難
しいことは俺にはわからんけど、ワシらにはあんまり良いことはないみたいだよね。
でもさ、植木さんに歌わせたら「仕事のないやつぁ/俺んとこへこい/俺もないけど/
心配すんな/みろよ/燃えている/あかね雲/そのうちなんとかなるだろう♪」とか
「ぜにのないやつぁ/俺んとこへこい/俺もないけど/心配すんな/みろよ/青い空/
白い雲/そのうちなんとかなるだろう♪」になっちゃうんだから心強いよね。
「くよくよすんなよ。そのうちいいこともあるさ」と励まされている気分になるよね。
植木さんは“無責任男"の代名詞みたくいわれちゃうけど、それは作られたイメージだと
本を読んでよくわかりました。極めてストイックな方です。
最近じゃ無責任なのはもっぱら役所や政府のお家芸です(笑)。
9年連続で年間自殺者数が3万人超の日本が精神的に健全な国だとも思えないので、
こんな歌や笑いこそが必要だと思いませんか?
読後に観てみたくなった映画が2本増えました。
「ニッポン無責任時代」(1962年)と「ニッポン無責任野郎」(1962年)です。
早速レンタルビデオ屋さんで見つけてきました(笑)。
【yaji@mojiのそのうち何とかなるだろう!】
http://yajimoji.hamazo.tv/