街と店の記憶…。

街と店の記憶…。


レジの横に煙草で黄色く変色した大昔の手書きのビラが貼ってありました。
恐らくはオリジナルではなくコピーしたものでしょうが、ある年のある月の1ヶ月のライヴスケジュール表と思われる中には高田渡さん、加川良さんの名前もありました。これって鉄筆と蝋原紙によるガリ版印刷なんだろうなぁ。
お店の歴史を感じさせてくれます。

店の名前は「BYG」です。
昔は「ビグ」と呼ばれていましたが、最近は「ビー・ワイ・ジー」が正式名称らしいのですが、実はどっちでもいいんだそうです(笑)。
そもそもの語源はヨーロッパのジャズ・レーベル名「ビューティフル・ヤング・ゼネレーション」の頭文字をとったものなんだそうです。
僕の中ではBYGはロックのメッカ的なイメージがあったのですが、そういえば看板には「モダンジャズ&ロック」とあったかもね。
僕たちが学生時代の80年代はアメリカン・ロックが主に流れていたような気もします。CHARや佐野元春も客としてBYGに来店していたと何処かの機会に語っていました。
街と店の記憶…。街と店の記憶…。
BYGがあるのは渋谷・道玄坂の上の方にある百軒店(ひゃっけんだな)の路地です。
昔はジャズ喫茶が並ぶ路地だったそうです。
ここに1971年にオープンしたのがBYGですから、40年近い歴史があります。
そして、ココを根城に伝説の音楽集団「風都市」の活動が生まれます。
そんな当時の証言集とも呼ぶべき1冊が2004年に出た「風都市伝説〜1970年代の街とロックの記憶から」(北中正和責任編集・音楽出版社)です。
風都市は当初はBYGのブッキング集団から出発しています。
BYGの地下は昼間は練習場所として、夜は新しいライヴ空間として機能していました。
BYGと風都市の良好な関係が果たした役割は偉大かもしれません。、
風都市は、はっぴいえんど、はちみつぱい(鈴木慶一)、あがた森魚、南佳孝、シュガー・ベイブ(山下達郎・大貫妙子etc)、吉田美奈子、小坂忠、ごまのはえ、乱魔堂、山下洋輔トリオ等々が在籍していたプロダクションなんです。
経営的破綻から70年代初頭の数年という短命で終わった風都市ですが、彼らが70年代の日本の音楽シーンに果たした役割は前述の所属アーティスト名からもわかると思います。
街と店の記憶…。


数々の伝説でちりばめられたBYGを訪問したのは過日の渋谷duoでのイベントの前と帰り。
なんと1日で2回も利用しちゃってます。
体調と気分さえ良ければ、少しは酒も飲めるクチです。
ビールは苦手なので、この夜はもっぱらバーボンを水割りでちびちび(笑)。
壁には「ハーヴェスト」の頃と思われるニール・ヤングのポスターがありました。
ボブ・ディランのポスターもあったよね。
街と店の記憶…。


ご機嫌な雰囲気で気持ちよく飲む小池某です。
【渋谷BYG】http://www.byg.co.jp/


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