浜松の情報にうとい僕は「浜松まちなか協議会」のサイト
http://machinaka.hamazo.tv/や、同協議会メンバーの<マックたけじん>さんの日記ブログ
http://machinakago.hamazo.tv/で、失速傾向な浜松の街中情報と活性化に向けた取り組みの両面を時々覗き見して楽しんでいます。
そこで発見したのは1月4日の中日新聞一面を飾った『浜松発“ニューシネマ” ミニシアター団体が制作』という記事の存在でした。
※【中日新聞】浜松発“ニューシネマ” ミニシアター団体が制作…2011年1月4日付
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110104/CK2011010402000123.html
以下は、その記事全文です。
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【静岡】浜松発“ニューシネマ” ミニシアタ団体が制作 2011年1月4日
市内でロケ、今春クランクイン
全国45都市、50の映画館でつくる映画流通団体「シネマ・シンジケート」が今春、浜松市を舞台に映画制作に乗り出す。監督、制作、役者を浜松市や近郊の出身者で固め、ロケも三ケ日町など市内ですべて実施。活動が盛んなブラスバンドを題材にし、市内の学校や生徒にも出演などの協力を求めるほか、浜松市制100周年にちなんで行政にも支援を要請する。
今秋までに完成、年内の公開を目指す。全国50館で上映した後には、映像データを各館が所有して全国の学校へ貸し出すなど、映画館上映以外の流通を模索する。
引っ込み思案の男子中学生が吹奏楽部に入り、教師や仲間とともに全国大会を目指す中沢けいさんの「楽隊のうさぎ」の原作利用権を取得予定。浜松市出身の越川道夫さんが代表を務める配給会社「スローラーナー」(東京都)と、浜松市民映画館「シネマイーラ」(中区田町)が制作幹事を務め、桜が咲く時期にクランクイン、夏休みを中心に撮影する。
監督は映画「ゲゲゲの女房」やNHK「中学生日記」などでメガホンを取った鈴木卓爾さん(43)=磐田市出身=を軸に調整。浜松市出身の俳優、筧利夫さん(48)、鈴木砂羽さん(38)、袴田吉彦さん(37)らに出演を打診する。中学校が舞台となるため、市内の学校や生徒も巻き込む計画。夏休み期間中のロケ場所の提供やエキストラとしての参加を呼びかけていく。
シネマ・シンジケートは2008年、大量宣伝・大量消費型の映画と一線を画し、作家性の強い秀作を丁寧に上映したいと、全国50のミニシアターの館主や支配人が結成。今回初めて資金集めの段階から制作に関わり、行政と連携した巡回上映など、映画流通の新しいビジネスモデルを確立したい考え。
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同じ日付で同紙のこんな記事も発見しました。
※【中日新聞】若者ファンを育むタネに ミニシアター発「浜松映画」…2011年1月4日付
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110104/CK2011010402000122.html
以下は、その記事全文です。(写真とキャプションは割愛しました)
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【静岡】若者ファンを育むタネに ミニシアター発「浜松映画」 2011年1月4日
ミニシアターの閉館が相次いでいる。映画産業全体は興行収入を伸ばすが、支えるのは年にわずか数本のヒット作。毎年100本以上の佳作を独自に上映し続けるミニシアターは全国的に火の車だ。打開策は、ミニシアターが独立して収益を上げる構造を確立し、若い映画ファンを育成すること-。浜松発のローカル映画は、そのチャレンジに向けた第一歩になる。(報道部・皆川剛)
「ここで映画の素晴らしさを知った」。今月末に閉館する東京・恵比寿ガーデンシネマを惜しむ声が多く上がっている。「リアリティ・バイツ」「ボウリング・フォー・コロンバイン」など良質な外国映画の紹介役だった。
渋谷ではシネマ・アンジェリカが休館、映画文化に先鞭(せんべん)をつけたシネセゾン渋谷も閉館がほぼ決まった。業界をリードしてきた東京の映画館が昨年下半期、地盤沈下を起こした。
「東京の波は時間をかけて地方にやって来る」。浜松市中区のシネマイーラ館主、榎本雅之さん(57)は危機感を募らせている。実際に運営費に自腹を切って上映を続ける毎日。東海地方のある映画館では、館主が塾講師のアルバイトで稼いだ金を運営に充てている。
「今の興行収益の8割は、年間に上映される760のうちの20本が占める。つまりシネコンで『アバター』と宮崎駿さんしか見ない人たちでもっている」とシネマ・シンジケート代表の堀越謙三さん(65)は指摘する。映画館で日常的に映画を楽しむ層は空洞化。DVDや「ユーチューブ」など、映画館から若者の足を遠ざけさせる要素は多い。
ミニシアターはいわば「目利き」であり「広報役」だった。1980年代以降、作家性の強い外国映画や日本の若手監督作品の多くが、口コミが広がるまで辛抱強く上映を続けたミニシアターの熱意とファンの支えで世に出てきた。競争にさらされるシネコンも、最近は大作以外に手を出すようになったが、収益が上がらないと上映を打ち切る。
借金やアルバイトの苦労を背負うミニシアターの後継者はいない。「400万~500万円の年収があれば経営を継ぐ人はたくさんいる」と堀越さん。いかに収益を確保するかが早急の課題だ。
浜松発映画は、学校や公民館、図書館などでの「非劇場上映」を想定して制作される。「見に来てもらう」から「まず見てもらいに行く」への転換だ。ミニシアターでは異例の黒字を上げる沖縄の「桜坂劇場」は、離島を巡回して上映会を開き、スクリーンで映画を鑑賞するファンをつかんで客足を伸ばしている。
大手配給や資本から独立し、映像も自由に使える。ミニシアター発映画の利点を最大限に生かし、多くの若者の心に届けられるか。「街なかの映画館が生き残るために、普遍的な作品を作りたい」と、榎本さんは話している。
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う~ん、新年早々“文化不毛の地”浜松を激震が走ったわけです。
僕の生活でも、殆ど映画館通いは都内のミニシアターが占めているわけでして、共感は隠せません。
浜松唯一のミニシアター「シネマイーラ」館主さんも開館2年で色んなものを背負って大きな勝負に出たということです。
これを応援しなきゃ男も女もすたるというものです。
旧「浜松東映」時代にも自主上映のレイトショーで何度か東京から浜松に駆けつけた記憶があります(笑)。
東京のミニシアターで見逃した作品を浜松で観るって僕なりの洒落です(笑)。
今回の企画にも、「ブラス」って意味では一脈通じるルーマニアの寒村の人々を描いたドキュメンタリー「炎のジプシー・ブラス(ブラス・オン・ファイヤー)~地図にない村から」(2002年)も田町の旧「浜松東映」で観賞したことは忘れていません。
あんな映画を提供してくれる場所って稀有で貴重な存在ですもん。
「シネコン」だけが映画館じゃないし、「シネコン」から吐き出される作品だけが映画じゃないんですよ。
とりあえず、今日のミッションは書店に走り、原作の中沢けいさんの『楽隊のうさぎ』を新潮文庫の棚で探すことかな?
運よく見つかるといいけど…。(-“-)
同世代だけど初めて読む作家さんです(苦笑)。
これで鳴り物入りの「浜松市制100周年事業」プロジェクトにも目玉が出来て救われるかも?(笑)
【ブログ「シネマイーラ館主の呟き」】
http://ameblo.jp/cinemae-ra/entry-10757787021.html#main
【浜松市民映画館「シネマイーラ」(中区田町)】
http://www.cinemae-ra.jp/
【シネマイーラ関連記事】
http://www.tanhama.jp/show_topic.php?t=653
http://www.youtube.com/watch?v=bHM5HQjDvfA
http://www.youtube.com/watch?v=4k3ZQIbBtko&feature=related
【小説『楽隊のうさぎ』中沢けい:新潮文庫】
http://www.shinchosha.co.jp/book/107231/
【中沢けい公式サイト『豆畑の友』】
http://www.k-nakazawa.com/
【シネマシンジケート関連「映画館主義」等関連記事】
http://www.eigakanshugi.com/
http://eiga.com/news/20080702/8/
http://jc3.jp/project/cinemasyndicate.html
http://tamatebako.net/comi-cine/1ACS/
※【産経ニュース】ミニシアター閉館相次ぐ 若者の足遠のく?…2010年12月30日
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/101230/tnr1012301803001-n1.htm
※【Yahooニュース】「シネセゾン渋谷」閉館へ-26年の歴史に幕、ミニシアター閉館続く /東京
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110106-00000051-minkei-l13
※【朝日新聞】シネセゾン渋谷、閉館へ ミニシアターブームの一角担う…2011年1月7日
http://www.asahi.com/national/update/0107/TKY201101070002.html
【浜松市制100周年記念ホームページ「未来へ輝く『やらまいかスピリッツ!』~NEXT100~ 浜松市制100周年」】
http://hamamatsu-100.com/