
今秋、たまたま手にして読み終えた文庫本が『スーパーカブ』でした。
主人公の女子校生の成長物語といってしまえば簡単ですが、もう1つの主役といってもいいのがホンダの原付バイク「スーパーカブ」でした。
キャッチコピーにも「ひとりぼっちの女の子と、世界で最も優れたバイクが紡ぐ、友情の物語。」とありました。
それはつまり、1億人の中の1人の物語でもありました。
その「スーパーカブ」ですが、今年10月には世界生産累計1億台突破が大きなニュースになりました。
1958年のデビュー以来、新聞配達でも郵便局でも銀行や八百屋さんから、街の酒屋や寿司屋や蕎麦屋やラーメン屋の出前でも、とにかく「働く乗り物」として、その姿を見ない日はないくらいに60年近く大活躍しています。
正に隠れた名車中の名車だと思います。
基本設計の高さとコンセプトの正しさの証明のような1台です。
僕の父も「ポンポン」とか呼んで乗っていましたし、荷台に座布団を括りつけて父の後ろに乗っけてもらっては子供の頃は出かけていました。
この小説『スーパーカブ』の舞台となったのが、山梨県北杜(ほくと)市です。
北杜市と聞いて、どうも当初はピンと来なかったのは事実です。
要するに、平成の大合併で、山梨県北巨摩郡界隈の市町村が合併して生まれた人口5万人弱の新しい名称の市だったのでピンと来なかったのです。
南アルプス付近というか、八ヶ岳の南側とか、小淵沢もそうですし、清里も北杜市ですし、お酒好きの方ならサントリーの白州蒸留所も今では北杜市に含まれます。こうやって見ると、北杜市は山梨県の北西部でありながら最北でもある地域と考えればわかりやすい気がします。
小説を読んだせいで、先月(11月12日)、女房のバイクとつるんで北杜市までツーリングしてきました。都内の自宅から往復300キロ強の旅でした。
殆ど同じ道をただ走って帰ってくるだけの芸の無い旅でしたが、山々を眺めながら走るのは気持ちが良かったのは事実です。
目的地は白州・尾白の森名水公園「べるが」内の立ち寄り温泉でしたが、そこで紅葉の森の中で写真のトナカイに出会いました。1頭は馬だったのかもしれませんが、首に赤いリボンを結んであったのでクリスマス仕様だったようです。
つまりは「トナカイだから小さなクリスマス発見でいいだろう」という安直で乱暴な投稿です(笑)。
紅葉を求めてのバイク旅でしたが、意外な処で一足先にプチクリスマス気分を味わえました。
ちなみに山梨県の総人口が約82万人だそうですが、浜松市って大合併の成果で人口80万弱あるんですよね。
それを考えると、浜松市の人口が、お隣の山梨県の人口に匹敵するってのは大変なことだと思いました。
ん?
既に『スーパーカブ2』なる続編も刊行されていたとは……。

▼角川スニーカー文庫『スーパーカブ』トネ・コーケン著
http://sneakerbunko.jp/bookdetails/index.php?pcd=321701000507
▼ホンダ「スーパーカブ」世界生産累計1億台に 生誕60周年記念特設サイト
http://www.honda.co.jp/supercub-anniv/