バイク乗りにとっては「晴RIDE雨読」「晴乗雨読」といった風情かもね。
今読んでいる『ヨコハマメリー かつて白化粧の老娼婦がいた』(中村高寛著/河出書房社)http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309025933/
も3分の2は読み終えて読破も先が見えてきたので、次の本をチョイス。
出版されたばかりの『平岡正明論』と、今年出た『記者襲撃』かな。
奇しくも2冊とも装丁は真っ黒みたいなもので、意味なく脳裏に浮かぶのは「Starless and bible black」みたいな有名な歌詞フレーズ(笑)。
それにしても2冊ともテーマも含めてハードな内容だなぁ~(笑)。
こんな時代ですから、炭鉱のカナリア的に警鐘を鳴らしている悠長な雰囲気じゃなくて、いずれジャーナリストや言論人や表現者の類は権力に圧殺されうる暗黒の時代が再び到来するいうか現にそうなってきているよな。くわばらくわばら。

▼『平岡正明論』大谷能生著(ele-king books)
http://www.ele-king.net/books/006286/
よみがえる、戦後最大スケールの思考
『ジャズより他に神はなし』『ジャズ宣言』『チャーリー・パーカーの芸術』などのジャズ評論で知られるほか、政治思想、第三世界革命、犯罪、水滸伝、中国人俘虜問題、歌謡曲、映画、極真空手、河内音頭、大道芸、浪曲、新内、落語……と数多くのテーマに空前絶後のスケールで取り組んだ批評家・平岡正明。
本書では、その生涯と著作をたどる「本章三十六段」、120冊以上にのぼる全著作から厳選した「著作案内三十六冊」、すぐに使えるパンチラインを集めた「マチャアキズム・テーゼ三十六発」という108項目から、平岡の思想を紐解きます。
長く続くポスト・モダンの時代にあって、つねに世界規模・100年規模のスケールで「民衆の力」という「大きな物語」に全身で取り組んできた、その大思想の全貌がいまよみがえる!
●著者紹介
大谷 能生(おおたに よしお)
1972年生まれ。横浜在住。
音楽(サックス・エレクトロニクス・作編曲・トラックメイキング)/批評(ジャズ史・20世紀音楽史・音楽理論)。96年~02年まで音楽批評誌「Espresso」を編集・執筆。菊地成孔との共著『憂鬱と官能を教えた学校』や、単著『貧しい音楽』『散文世界の散漫な散策 二〇世紀の批評を読む』『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』など著作多数。
音楽家としてはsim、mas、JazzDommunisters、呑むズ、蓮沼執太フィルなど多くのグループやセッションに参加。ソロ・アルバム『「河岸忘日抄」より』、『舞台のための音楽2』をHEADZから、『Jazz Abstractions』をBlackSmokerからリリース。映画『乱暴と待機』の音楽および「相対性理論と大谷能生」名義で主題歌を担当。チェルフィッチュ、東京デスロック、中野茂樹+フランケンズ、岩渕貞太、鈴木ユキオ、大橋可也&ダンサーズ、室伏鴻、イデビアン・クルーなど、これまで50本以上の舞台作品に参加している。
また、吉田アミとの「吉田アミ、か、大谷能生」では、朗読/音楽/文学の越境実験を継続的に展開中。山縣太一作・演出・振付作品『海底で履く靴には紐がない』(2015)、『ドッグマンノーライフ』(2016/第61回岸田戯曲賞最終選考候補)では主演をつとめる。『ホールドミーおよしお』(2017/CoRich舞台芸術まつり!2017春演技賞受賞)。
■目次
前書
本章 平岡正明論 三十六段
Ⅰ.
1.崩れた状態の記述
2.きんたまの使用法
3.暴力装置としての韃靼人
4.ジャズの組織論/プロレタリアート文化とは何か?
5.六〇年代ジャズ・シーンの概観/コルトレーン神学批判
6.アカと黒/「第三世界」の浮上
Ⅱ.
7.マルクス&エンゲルス/ブルジョア革命と資本主義
8.レーニン&トロツキー/帝国主義と永久革命
9.ブンドによる日本戦後過程の分析
10.高度成長期におけるあらたな階級形成
11.武装のための理論武装
12.あらゆる犯罪は革命的である
Ⅲ.
13.反面同志の死
14.西郷隆盛における永久革命
15.『日本人は中国で何をしたか』/『中国人は日本で何をされたか』
16.群盗世に充てり/『水滸伝 窮民革命のための序説』
17.闇市テーゼについて/『南方侵略論』
18.『石原莞爾試論』/帰還者たち
Ⅳ.
19.霊感のあらたな源泉/ディスク・ジョッキーと極真道場
20.What is 「全冷中」?
21.歌の情勢はどのようにすばらしいのか?
22.「山口百恵は菩薩である」
23.美空ひばりの芸術
24.大歌謡論/「俺の独裁」
Ⅴ.
25.大山倍達を信じよ/極真空手という体系
26.変態性と反体制/不具者結合の法則
27.「過渡期世界論」を読む
28.祭と縁/ヨコハマ・野毛の平岡正明
29.「平民文学」の系譜/平岡的六〇年代文学論
30.浪曲的/新内的
Ⅵ.
31.バードとマイルス/ビバップ革命の射程距離
32.記憶の技法/『昭和ジャズ喫茶伝説』
33.『志ん生的、文楽的』/道化の戦闘性について
34.「シュルレアリスム落語宣言」/幻想の長屋共同体
35.マチャアキズム・テーゼの魔界
36.黒人大統領誕生をサッチモで祝福するとは?/二一世紀のブラック・マーケットに向けて
マチャアキズム・テーゼ三十六発
平岡正明著作案内三十六冊
後書
平岡正明著作リスト
▼『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』樋田 毅 著(岩波書店)
https://www.iwanami.co.jp/book/b345420.html
1987年5月3日憲法記念日の夜,朝日新聞の記者二人が何者かに突如,散弾銃で殺傷された阪神支局襲撃事件.発生当初から取材チームに加わり,時効後も記者生命をかけて一貫して事件を追い続けてきた著者による渾身の書き下ろし.日本の言論史上,類例のない事件を追跡したきた果てに見えてきたものとは?
【予定目次】
まえがき
第一部 凶行
第二部 取材の核心部分Ⅰ
第三部 取材の核心部分Ⅱ
第四部 波紋
あとがき
〇樋田 毅(ひだ つよし)
ジャーナリスト.1952年4月生まれ.愛知県出身.県立旭丘高校卒,早稲田大学第一文学部社会学科卒.78年,朝日新聞社に入社.高知支局,阪神支局を経て大阪社会部へ.大阪府警担当,朝日新聞襲撃事件取材班を務めたのち,京都支局次長,地域報道部・社会部次長などを歴任.襲撃事件の公訴時効成立後の2003年4月に和歌山総局長.その後,朝日カルチャーセンター大阪本部長等を経て,12~17年まで大阪秘書役を務め,同年12月退社.
▽「平岡正明論」の再設定――大谷能生×後藤護×吉田雅史 鼎談 – ecrit-o
http://ecrito.fever.jp/20180616222616
▽大谷能生×速水健朗 「<俺による永久革命>の復活ーー『平岡正明論』刊行記念イベント」@ootany @gotanda6
https://peatix.com/event/395664
▽『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』記事を書くことではなく、犯人を追うこと
http://honz.jp/articles/-/44724
▽「日本の闇」に踏み込んだ 記者襲撃
https://www.j-cast.com/bookwatch/2018/03/03007009.html
▽赤報隊の影を追う「覚悟と矜持」
https://facta.co.jp/article/201804023.html