田舎の中学生だった僕に思想形成させた運命の1冊!

田舎の中学生だった僕に思想形成させた運命の1冊!


元フォークルの北山修さんのエッセイ本「さすらいびとの子守唄」は罪な本であ
る。このタイトル曲を今年の浜名湖フォークジャンボリーのステージで取り上げ
ていたベテランの2人組がいて思わず「おおっ!この曲で攻めてきたか!さすがだ
なぁ〜。渋い選曲だよな」と客席側で感服していました。

この本も姉の本棚から失敬したまま35年みたいな1冊です(苦笑)。
そもそも中学生だった僕には初のエッセイ体験だったのかもです。
古典的な文学の世界では文語体の「随筆」に授業では出会ったことはあっても、
リアルタイムに近いことを口語体で読みやすく語りかけてくれた本という意味
ではエッセイなるものとの最初の出会いでした。
その影響なのか、父に「お前の文章ってのは、まるでダラダラとした“散文”だな
ぁ〜!」と言われたのを記憶しています。(今もそうだよな…)
その「散文」の意味がわからず辞書を引いて「散文=エッセイ」と理解したのも
この頃だったんですね。

“遅れてきた世代”の僕たちは1960年代末から数年間の文化的激動期や世界史
的な意味での「パリ五月革命」や「ベトナム反戦運動」や「プラハの春」といった
若者たちによる「異義申し立て」ムーブメントの熱い季節を実際には知りません。
ただ映像や音楽や文字で追体験的に知識として知るだけです。
僕はこの本で「中津川フォークジャンボリー」やグランド・ファンク・レイルロー
ドのドシャ降りの後楽園球場でのライヴや、霧の箱根芦ノ湖畔アフロディーテでの
ピンク・フロイドのコンサートのことを初めて知りました。

1970年にウド−音楽事務所が「ロック・カーニバル」シリーズを打ち立てたおか
げで、1971年はジョン・メイオールの来日公演を皮切りにB.S&T、フリー、シカ
ゴと立て続けに海外アーティストの来日ラッシュが続いたようです。
1971年は「ウッドストック・フェスティバル」(1969年)に触発された日本のロッ
ク・シーンが「ロックの夏」とも呼べるターニング・ポイントをエンターテイメン
ト史として迎えた年だったんでしょうね。

そんな時代の空気を北山修さんのエッセイから学んだ時期でした。
それこそ何度読み直したかわからないくらいに高校卒業までボロボロになるまで
繰り返し読んで吸収した(つもり?)の1冊です。

北山修さんは片田舎の中学生だった僕にとって刺激的な「東京の大学生のお兄さん」
だったんですね(苦笑)。


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