
北山修さんといえば加藤和彦さんとの名曲「あの素晴らしい愛をもう一度」の作詞をされた方ですが、若い世代の方にはピンとこなくても、あの曲だけは知っているんじゃないかと思います。
映画「パッチギ」でも使われた曲ですよね?
僕が「北山修に感化された」と発言すると違和感をおぼえる方もいらっしゃると思われます。世代的には少しズレてますもんね。
でも、実はそ~なんです。
70年代の田舎の中学生にとって東京や海外の若者文化や流行の情報なんて今と比べると天文学的に少なかったこともあります。
お小遣いなんて少ないから、たままた手にいれた1冊の本であってもむさぼるように何度も何度も読み返したものです。
そんな一冊が北山修さんのエッセイ集「さすらい人の子守唄」(角川書店刊/1971年)です。僕にとっては大切な青春時代の一冊です。
ウッドストック・フェスティバル、ニューポート・フォーク・フェスティバルでのボブ・ディラン、ビートルズの解散、タイガース、テンプターズ、シカゴの大阪公演、エルトン・ジョン、映画「フレンズ」、NYシェアスタジアムでの「平和のためのサマーフェスティバル」でのクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル、ポコ、ジョニー・ウインター、ジャニス・ジョプリン、ポール・サイモン、アル・クーパー、ソルティ・シュガーの最後のリサイタル、映画「エルビス・オン・ステージ」、雷雨の後楽園でのグランド・ファンク・レイルロード、BS&T、麻生レミ、ロック・ミュージカル「ヘアー」、1971年・全日本フォークジャンボリー、岡林信康、はしだのりひこ、反戦列車、歩行者天国、マリファナ、ヒッピー、マルクス、コミューン、ベトナム戦争、ペアルック、ヤング・ジャパン、沖縄返還等々の僕の知らないような言葉や記号が、その本には散りばめられていました。
そんな話を本の中で語ってくれる北山さんは、僕にとっては「会ったこともない東京の遠い親戚の大学生のお兄さん」みたいな感じだったのかもしれません(笑)。
子供の頃、父親に「お前の書く“文”って、作文じゃなくて“散文”だなぁ~」と苦笑いされたことがあります。
「さんぶん」という耳慣れない言葉に「なんだろう?」と思い、慌てて勉強部屋に戻って国語辞典をひいたおぼえがあります。
昔から、きちんとまとまった文章で表現するよりは、今と同じでダラダラと他愛もないことを際限なく書き綴っていたので、そんな風に言われたんでしょうね(苦笑)。

「さすらいびとの子守唄」を開くと内表紙はウッドストック・フェスと思われる人人人の写真でした。
子供心に、アメリカのロックコンサートってすごいんだなと思いました。
【「ザ・フォーク・クルセダーズ」関連】
http://www2.tokai.or.jp/milmil/milmil/music/Folcru/Folcru.html